広報紙「ほっかいどう」

特集

持続可能な北海道観光の実現に向けて

掲載号:2025年1月号

持続可能な北海道観光の実現に向けて

重要性を増していく「観光の持続可能性」

現在、観光産業では、欧米を中心に、自然やアクティビティに対する需要が高まっており、北海道においても、消費額の拡大などにより経済的な成長を目指すだけではなく、自然や文化、環境を損なうことなく利用することや、地域住民の生活に配慮していくこととの両立を図る「持続可能な観光」の取り組みが重要となっています。
道では、環境に配慮したツアーの実施、自然や文化などを深く理解したガイドの育成、地域の取り組みへの支援や観光を支える多様な人材の育成・確保など、持続可能な観光の実現に向けたさまざまな取り組みを進めています。
また、観光振興を目的とした新たな税を導入し、安定的な財源の下で、観光振興と地域経済活性化の好循環を生み出す「観光立国北海道」の実現を目指しています。

アドベンチャートラベル(AT)の取り組み

アドベンチャートラベル(AT)とは、アクティビティを通じて自然体験や異文化体験を行い、地域の人々と双方向で触れ合い、楽しみながらその土地の自然や文化などをより深く知る旅行形態のことです。ATは、主に北米やヨーロッパ、オーストラリアを中心とした旅行者に人気が高く、自然や地域に対して「ローインパクト」であることを価値として重視していることから、道では、環境に配慮したATツアーの造成などに取り組んでいます。

アドベンチャートラベル(AT)の取り組み
ATの5つの体験価値

北海道ATガイド認定等制度とガイド育成の取り組み

自然や文化などを深く理解し、アドベンチャートラベルを安全に楽しむためにも、「ガイド」の存在が欠かせません。
道では、国際基準を踏まえた北海道アドベンチャートラベルガイド認定等制度を創設するとともに、国際的にも評価されるガイドを育成する取り組みを進めています。

北海道アドベンチャートラベルガイド
北海道ATスルーガイド研修の様子
北海道ATスルーガイド研修の様子

AT ガイド認定等制度の詳しい情報は道のウェブサイトからご覧いただけます
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kkd/500-outdoor/atguide.html

道内各地域が進める持続可能な観光の取り組み

道内では、ニセコ町や弟子屈町などが持続可能な観光に関する国際的認証機関による表彰を受けており、一部地域ではオーバーツーリズム対策が行われるなど、各地域で取り組みが進みはじめています。
道では、DMO(観光地域づくり法人)や観光事業者などを対象として、経済・社会・環境の面において重要な意味を持つサステナブルツーリズムの意義や国際認証制度について理解を深めるセミナーを実施し、地域の取り組みを支援しています。

セミナーの様子
セミナーの様子

観光を支える多様な人材の育成・確保の取り組み

道では、大学生や高校生、外国人留学生などが、一定期間、ホテル・旅館で実際に働く「インターンシップ」や、観光業に携わる経営者、若手社員などが、大学・高校・専門学校で観光の魅力を伝える「出前講座」、高校生などが観光の仕事を1日体験する「職場見学会」等の取り組みを進めています。

職場見学会の様子
職場見学会の様子

インタビュー INTERVIEW
持続可能な観光に向けて必要なこと

岡村泰斗さん
株式会社
backcountry classroom
代表取締役CEO
おかむら たいさん
平成12年、野外教育に関する論文で国内初の博士号取得。北海道では、ATガイドを対象とした研修の講師などを手掛ける。

北海道は、手つかずの大自然の中で野生動物を見ることができるなど、アウトドア体験を通じて自然との関わり方を知ることができる日本でも数少ない場所の一つです。短時間のアウトドア体験では、その魅力のすべてを知ることは難しいでしょう。ぜひ道民の皆さんにも、じっくりと地域に滞在してもらう旅を体験し、北海道の魅力を感じていただきたいです。
多くの時間を自然の中で過ごし、環境に対する影響を最小限にしたアウトドアの楽しみ方が広まって、将来にわたり健全な自然環境が維持されていけば、北海道の観光の価値は今後ますます高まっていくと思います。
そのためには、こうした考え方を皆さんに伝えるガイドの役割が、一層重要になってくると思います。

インタビュー動画もご覧ください

観光振興を目的とした新税(宿泊税)の条例案

北海道宿泊税条例案(令和6年11月26日北海道議会提案)に基づき作成していますので変更の可能性があります

宿泊税へのご意見はこちら
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/kz/kkd/191976.html

1.新税導入の背景・必要性

新税導入の背景・必要性

2.観光振興の好循環

安定的で効果的な観光振興を図ることで、地域経済の活性化と観光振興の好循環を生み出し、北海道観光の飛躍的な成長と持続的な発展につなげていきます。

観光振興の好循環

3.新税の枠組み

新税の枠組み

4.新税による施策イメージ

3つの政策目的(施策の方向性)に基づく施策により、北海道を旅行される皆さまへのメリットや地域への効果の最大化を図っていきます。

新税による施策イメージ

5.推進方策と施策の検討に向けた仕組み

宿泊者のニーズを踏まえ、地域の実情や課題などについて市町村や事業者と意見交換を行いながら、「新税充当の原則的なルール」と照らし合わせて検討します。

※充当事業は、毎年度、予算編成の中で検討し、道議会の議論を経て決定
推進方策と施策の検討に向けた仕組み

6.納税のイメージ

宿泊者の皆さまは、宿泊施設に宿泊税をお支払いいただきます。宿泊施設は宿泊者から宿泊税を一度お預かりし、納期限までに申告納付いただきます。

納税のイメージ
ロケーションスタンプラリー
映画やアニメのロケ地を巡ってプレゼントを当てよう!

映画やアニメ、ドラマで、舞台となっている北海道。
ストーリー中の広大な自然や美しい街並みは、思わず心惹かれてしまうようなシーンばかりです。
そんな作品の舞台となった道内のスポットを巡ってみませんか?
実際に見て触れて感じたなら、より深く作品を楽しめるはず。さあ、北海道の名シーンに会いにいきましょう!

ロケーションスタンプラリー応募までの流れ

詳しくはこちら
https://www.visit-hokkaido.jp/stamprally/

道庁観光振興課

TEL.011-204-5302

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