広報紙「ほっかいどう」

特集

北海道総合計画

掲載号:2024年9月号

北海道総合計画

道民の皆さまと北海道の将来を展望し、「めざす姿」の実現に向けて共に行動していくための指針として、新たな総合計画を策定しました。策定に当たっては、幅広い道民の皆さまから貴重なご意見をお寄せいただきました。ご協力を賜りました全ての皆さまに、心から感謝を申し上げます。
道民の皆さま、特に、本道の未来を担う若い世代が、地域に住み続けたいと思えるよう、この計画を。次の時代に向けた北海道づくりのメッセージとして広く発信し、多くの方々に共感をいただき、力を合わせながら取組を進めていきたいと考えていますので、皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。
北海道の未来を、共に創っていきましょう。

北海道知事 鈴木直道

北海道知事 鈴木直道

この計画は、令和6年度(2024年度)から概ね10年間の道政の基本的な方向を総合的に示すもので、道民の皆さまと道が共に行動していくための指針です。

北海道を取り巻く状況

■人口減少・少子高齢化の動向

  • 全国を上回るスピードで人口減少と高齢化が進行しています。
  • 令和4年(2022年)の合計特殊出生率は、全国で3番目に低い状況にあります。
少子高齢化イラスト

■経済・産業の動向

  • 1人当たり道民所得は全国平均と比較して1割程度低く推移しています。
  • 脱炭素化といった世界的潮流や国際情勢の変化に伴い、再生可能エネルギーの導入拡大、デジタル産業の集積などの動きが活発となっています。

■気候変動など直面する課題

  • 灯油やガソリンなどの化石燃料の消費が多く、全国に比べて、道民1人当たりの温室効果ガス排出量が多いといった課題があります。
  • 冬期に災害が発生した場合、氷点下となる気温や積雪などにより応急・復旧活動が妨げられるなど、被害の拡大が懸念されています。

■新たな技術の活用

  • 人手不足などの課題が顕在化する中、農林水産業へのデジタル技術の活用によるスマート化や遠隔医療、自動運転の社会実装、オンライン教育等の取組が進められています。
新たな技術イラスト

北海道の特性・潜在力

■広大な土地と地理的特性

  • 広大な大地や広域分散型の社会構造といった地域特性を有しています。
  • 北米・欧州と東アジアなどの結節点となっています。
地理的特性イラスト

■良質な食料の高い供給力

  • 多くの農産物や水産物で全国一の生産量を誇り、我が国最大の食料供給地域としての役割を担っています。
良質な食材イラスト

■豊富で多様なエネルギー・資源

  • 風力、太陽光、地熱などの再生可能エネルギーや水資源が豊富に賦存(ふぞん)しています。
自然エネルギーイラスト

■自然と歴史・文化に育まれた個性ある北の大地

  • 豊かな自然環境や貴重な動植物に恵まれています。
  • 縄文文化やアイヌ文化、明治以降の開拓といった独自の歴史・文化を有しています。

めざす姿

めざす姿

政策展開の基本方向

めざす姿の実現に向け、3つの基本方向とそれぞれに対応する18の政策の柱を設定しています。

政策展開の基本方向

地域づくりの基本方向

政策展開の基本方向を踏まえながら、次の基本的な2つの視点に基づき、地域の総力により地域づくりを進めます

■視点1 個性と魅力を活かした地域づくり

◎地域の特性・優位性や豊かな地域資源の活用
◎振興局と市町村が一体となった取組の推進

■視点2 様々な連携で進める地域づくり

めざす姿の実現に向け、3つの基本方向とそれぞれに対応する18の政策の柱を設定しています。

6連携地帯

■地域のめざす姿

◎道北連携地域
広大な土地や特色ある自然環境などの多種多様な地域資源を活用した産業を興し、いつまでも心豊かで安心して暮らすことのできる活力ある地域をめざします。

◎道央広域連携地域
高い価値を持つ文化・歴史を受け継ぎながら、デジタル関連産業の集積など本道をリードする中核エリアとして、次の世代を見据えた持続可能な発展をめざします。

◎道南連携地域
道南地域が誇る個性豊かな歴史や文化、多彩で特色ある食や自然の魅力を高め、環境と経済が調和しながら成長し続ける、本州と北海道の掛け橋となる地域をめざします。

◎オホーツク連携地域
全道でも有数の生産量を誇る農林水産資源や知床世界自然遺産・流氷などの優れた地域資源を活かし、自然と共生する快適な暮らしが広がる地域をめざします。

◎釧路・根室連携地域
冷涼な気候と広大な大地、豊富な自然エネルギーなど多様なポテンシャルを活かした産業が展開され、幅広い世代が集い、人々が安心して暮らせる、次世代を見据えた活力ある地域をめざします。

◎十勝連携地域
国内有数の食料供給地域として、日本の「食」を支える力強い関連産業等の展開により、様々な主体が輝き、安心して住み続けることができる持続可能な魅力ある道東の拠点となる地域をめざします。

総合計画の審議を行った「北海道総合開発委員会」の寳金委員長から、メッセージを頂きました。

北海道の更なる発展に向けて
北海道は今、食や観光、再生可能エネルギーなどのポテンシャルを力に変えるチャンスを迎えています。この好機を活かし、更なる発展につなげ、世界をも変えていこうという計画のメッセージが、特に若い世代の方々にとって、ご自身の将来とともに北海道の将来を考えていただくきっかけとなることを期待しています。計画のめざす姿の実現に向け、私たち一人ひとりが、それぞれの立場で考え、行動していきましょう。

寶金 清博 委員長

北海道総合開発委員会
寶金ほうきん 清博きよひろ 委員長 (北海道大学長)

未来を担う若い世代の皆さまの意見を伺いました

総合計画は道民の皆さまや市町村などから広く意見を伺い、いただいた意見を踏まえて策定しました。今回の策定では、初めて、北海道の将来を担う小学生から大学生までの若い世代の皆さまから幅広く意見を伺いました。

子どもたちイラスト
  • ◎空き店舗などが多いためぜひ活用して発展させてほしいと思いました。【留萌市・高校生】
  • ◎北海道の良さを大切にしながら、活気があり、多様性を重視する未来であってほしいと思います。【三笠市・中学生】
  • ◎自然が豊かで、動物も人間も両方生きやすい環境づくりを頑張りたいです。【七飯町・小学生】
  • ◎実際に大人の皆さんと行動を共にできるなどの取り組みもあったら、俄然みんなのやる気が高まると思いました。【札幌市・高校生】
  • ◎給食に北海道の野菜などを使ったご飯を出してほしいです。【京極町・中学生】
  • ◎広い土地でしかできない工業施設や自然を生かした施設の誘致などを進め、そういったところを売りにしていけばいいと思います。【古平町・中学生】
  • ◎皆が過ごしやすいように意見などを聞いて、いいところを増やそうと思っているところがいいなと思いました。【釧路市・小学生】

※寄せられた意見を抜粋したものです。

道庁計画推進課

TEL.011-204-5630

北海道総合計画はこちらからご覧いただけます
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/sks/hokkaido_sogokeikaku.html

計画を説明する出前講座を実施しています
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/sks/demaekouza.html