コラム
【2024年11月号】ニラ農園の事業承継を柱に、前職の経験を生かしてさまざまな活動に挑戦!
- #地域おこし協力隊Café
掲載号:2024年11月号
都会に住む人が課題を抱える市町村に移住し、才能や能力を発揮する地域おこし協力隊。今回は、農業を通じて幅広い活動に取り組む知内町の隊員を紹介します。
旭川市出身
小玉 龍之介さん
金融機関の職員として働いていた私が、知内町の地域おこし協力隊に応募したきっかけは、廃業を検討していた妻の実家のニラ農園を事業承継するためでした。しかし、農業経験が無く、知内町に知り合いもいなかったので、私の両親と妻の両親、どちらからも反対されてしまいました。そんな時に、知内町の地域おこし協力隊の制度を活用すると、希望する作物の農業技術を3年かけてしっかり学べ、いろいろな農家の作業に携わることで人脈も作れることが分かったので、それぞれの両親を説得して知内町に移住、地域おこし協力隊のひとりとして着任することができました。現在の主な活動はニラ農業全般で、3カ月に1度、担当する農家が変わるので、知識や経験がどんどん蓄えられている感じがします。ニラ農園を承継したときには、自分が良いと感じた栽培方法が選択できればと思っています。
知内町の基幹産業は農業ですが、その中でもニラは代表的な特産品です。1軒のニラ農家が廃業すると町としても打撃が大きくなるということも、私がニラ農園を事業承継しようと思った理由のひとつです。
知内町は新規就農者などの若手農家が多いこともあり、多くの仲間と出会うことができました。そんな仲間たちと挑んだ活動が、内閣府主催、経済産業省共催の「地方創生☆政策アイデアコンテスト2023」への参加です。JA新函館知内地区青年部として知内町の農業の問題点を洗い出し、地域経済分析システム(RESAS)による地域経済の分析結果を発表したところ、「北海道経済産業局長賞」と「協賛企業賞」を受賞しました。
若手農家みんなで札幌や東京に行ったことが印象に残っています。知内町のPRを兼ねて揃いの法被を着て発表したことは、自分たちの経験にもなりましたし、楽しい思い出を作ることができました。
その他にも、金融機関の職員時代の取引先だったアップルパイの専門店と知内町の農家をマッチングさせて、新たなふるさと納税の返礼品として「知内町産ニラとチーズのキッシュパイ」と「北海道知内町 橋本農園産ユメノコーンのとうきびパイ」を開発しました。
いずれの活動も前職での経済産業省への出向経験が活かせたことがうれしかったです。今後は、ニラ農園の事業承継を柱に、知内町が今年4月に設立した「しりうち地域づくり協同組合」※の活動にも取り組んでいきたいと思っています。
※「しりうち地域づくり協同組合」とは、北海道が認定した特定地域づくり事業協同組合で、
年間を通じた雇用により移住者を確保し、事業協同組合が個々の事業者に派遣することで、地域の担い手確保を図ることを目的として設立された事業協同組合のこと。
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