コラム
【2024年9月号】得意分野のIoTを生かし、ビニールハウス内の遠隔監視型デバイスを開発!
- #地域おこし協力隊Café
掲載号:2024年9月号
都会に住む人が課題を抱える市町村に移住し、才能や能力を発揮する地域おこし協力隊。今回は、IoT農業に取り組む栗山町の隊員を紹介します。
神奈川県逗子市出身
鈴木 敦文さん
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ファブラボを簡単に説明すると「自分で作りたいものが何でも作れる場所」のことです。もともと、ものづくりが好きだったので、それまで通っていたファブラボ鎌倉経由で、栗山町に「まちの未来を開拓する担い手づくり」をコンセプトとしたファブラボが誕生することを知り応募、令和3年10月に地域おこし協力隊として着任しました。ものづくりの中でも私の得意分野はIoT(モノのインターネット)で、ある課題を抱えているモノに対して、スマートフォンなどのデバイスを接続し、情報交換・制御するシステムを開発して解決するという分野です。そこで、着任後は自分の足で農商工をはじめ、まち全体のフィールド調査を行い、皆さんが抱えている課題や気づいていない問題を洗い出し、IoTを手段として解決できることから取り組みました。
栗山町は農業が主幹産業ということもあり、まずは農家の方々が抱えている課題を解決しようと考え、ビニールハウス内の温度、湿度を測定する遠隔監視型のデバイスを開発、いつでもどこでもスマートフォンやPCで確認できるシステムを作りました。ベテラン農家がこれまでに培ってきた経験や勘をデータで可視化することにより、通いの農家や新規就農者でもレベルの高い農業ができるのではと期待しています。現在は、農家を対象とした遠隔監視型のデバイスやシステムを自分たちで作る講座も開講しています。これからも、農家の皆さんと一緒に作り上げてきた栗山町のIoT農業とコミュニティを継続しながら、農業をさらに活性化できるプロジェクトに携わっていきたいです。
課題を解決するには農家の会合に参加したり、実際に現場に足を運んだりして、農家の皆さんと同じ目線に立ってみることがとても大事でした。今後はクマなどが現れたら画像認識でアラートを出すなど、そういった課題にも取り組みたいです。
今回、開発したデバイスをビニールハウスに設置することにより、PCやスマホには室内の温度や湿度などの環境データが常に送られてきます。大切な育苗期間でも常駐せずに自宅で監視できるという、農家の方々が安心できる環境を作ることができたと思います。
地域おこし協力隊としてはじめて取り組んだのが、栗山町在住の音楽家とコラボして製作した「フレキシトーン」という電子楽器です。これまで学んできたものをアウトプットして形にできたので、完成したときはとてもうれしかったです。